Ciaoお久しぶりです。本日はナポリ冒険記シリーズ。
ナポリでの、生活が始まり1週間、生活にはいまだ全然慣れていなかったが、身の回りのものを揃え、余裕が出てきた。そこでいざ修行先のサルトリア探しに行動をし始める。
日本を、旅立つ前から心を決めていた有名なRubinacciのLucaさんと連絡がとれていたため、ナポリ本店に滞在する父Marianoさんとアポイントをとってもらった。マップに頼って向かうと、まわりのお店とは比べ物にならないほどの店構えで、圧倒されたのを覚えている。工房は別館にあるということで博物館のようなドアをくぐり、見せてもらえることに。
一通り、工房内で作業する様子を見ていると、Marianoさんが立派なチャコールグレーのダブルスーツでいらっしゃった。前夜に丸覚えしたイタリア語の文章(Google翻訳そのまま)で自分の思いを必死に伝えた。Marianoさんは優しく対応してくれたが反応はやはりイマイチ。
それはそうである。なにせ小学生の家庭科の時間以来、裁縫はもちろん、針を持ったことがなかったため、鼻から自分で伝えられることは「思い」の部分しかないと思っていた。
そこで必殺技。
私は「答えがYESだと後日、NOだと当日」と決めていた日本からもってきた上等な着物生地をに差し出した。Marianoさんは驚き、感動。他のスタッフを「ちょっとこっち来て」と呼び、みな着物生地に釘付けであった。
しかしやはり私の考えは甘かった。
彼は名前と住所と電話番号を私に書かせ、後日電話してくれるとのこと。しかし1週間、2週間経てど連絡はそれから一切来ることはなかった。改めて自分の考えの甘さを思い知った。
Rubinacciを諦めた私は瓶ビールで気持ちをリセットし、翌朝からまたサルトリア探しを続けることにして、イタリア語のメモ片手に眠りについたのであった。ー続ー