ボタンはスーツには必ずあるものです。ゆえにボタンの色味や質感などはボタンのみの見た目だけでなく、ジャケット全体の仕上がりの雰囲気・イメージが変わってきます。
例えば、これは黒と白の千鳥柄のジャケット、袖3つボタンの仕様です。お客様におまかせして頂いた場合、弊社がナポリから仕入れているナットボタン(天然樹脂)や水牛ボタンから、一番相性がいいボタンを選んでつけています。
この写真のジャケットの場合、生地の色味や雰囲気からグレーのこの3種類にまず絞りました。どれも綺麗なグレーで間違いではないのですが、それぞれ色味が異なります。生地のみならず、ボタンの光沢感やボタンホール糸色との兼ね合いも同時に参考にし、一番下のもの(ボタンホールの上のもの)を選んでつけました。
また、ジャケット製作中には、ボタン選びのほかにステッチ糸や裏地選びなども、このように服全体の雰囲気や着手のイメージを考え、進めています。
何気なく付いているボタンですが、服の良さを最大限に引き出すため(邪魔しないため)に考え抜いたボタンなので、ジャケットのボタンにも注目してみてください。
Pinorso 孫谷