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Pinorso

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M氏のナポリ冒険記④~サルトリア探し編⑵~

Ciao!前回の「サルトリア探し編⑴」の続編となっております。

サルトリア探し再スタートを決め、翌朝から家を出て、聞き込み調査をした。教えてもらったサルトリアを回るもどれもダメで、そうやってナポリ生活約1ヵ月が経とうとしていた。その頃には自分の足でナポリを動き回ったため、ナポリ中心地であればどこでもわかるようになっていた。

自分の考えの甘さに落胆し、諦めかけ、最後に既製品を販売しているお店に入ってみた。販売員のおばちゃんに自分を名乗り、サルトリア紹介してほしいという内容の文章を、毎回のように言った。そうすると、ほかの人を紹介してくれ、その人が生地屋を紹介してくれ、生地屋がサルトリアを紹介してくれた。私にとってはとても目まぐるしい展開。言語が十分理解できていなかったために、全く状況を把握できていなかった。

ちなみにナポリ社会は「ネポチズム(緑故主義)」なところが強く、紹介などのコネクションで自分たちのコミュニティを守っていき、それがうまく機能していると思う。

初めて縫ったときの写真(上えり芯作り)

そして、あるサルトリアに連れて行ってもらい、尋ねると、マエストロが明日の3時に会いに来いとのこと。万全の準備をして、翌日訪れると、若い男性サルト達が手招きして中に呼び込まれ、椅子に座らされた。すると、糸が通った針と指貫を渡され、「縫ってみて」と。手本をみせてもらい、やってみたが、指ぬきという針のお尻を押すための指輪のような道具をうまく使えずかえって邪魔だ。これが思ったより難しい。

しばらく集中して続けていると、なにやらGoogle翻訳を使って私に話しかけてくれる。私も昨日のマエストロはどこにいるのかと聞くとまさかの「今日はいないよ。ミラノに行った。」Wow Napolitano(笑)

そうして夕方になると若い子たちに、「明日も来ていいのか」と聞くと、もちろんだと返事があり、その日約束したはずのマエストロとは一切会わず、いつの間にかこのサルトリアで勉強させてもらえることになり、運よくスタートを切れたのであった。