皆様、こんにちは!本日は、ジャケット・スーツにおいて最も重要な素材である「バニャーレ」(伊語。日本語訳:~を濡らす)について書こうと思います。
受注を受け、お客様と選んだ生地を、裁断前に「濡らす」ことをします。近年の生地は高速織機で織られていることが多く、それが生地にストレスを与えていることがあります。そのため、織られた生地に十分に水分を含ませ、乾かすことで生地の緊張をほぐします。一度リセットするのです。そうすることで、より正確な製図・裁断ができ、生地ストレスの少ない”長持ちする洋服”を製作できます。
特にピノルソでは、濡らした別布(シーチング)を生地に巻いて、6時間ほど放置してゆっくりと水分を与え、その後一晩干し、自然乾燥をさせています。
長く着れるジャケット・スーツづくりは裁断に入る前の「生地」の状態から仕込みを始めています。ただの「生地」の状態から「スーツ・ジャケット」になるまで見ていますので、私も納品時には、手塩にかけたわが子が成長して巣立った親の思いです笑
ご一読ありがとうございました。大変な昨今、皆様引き続きお体に気を付けてお過ごしくださいませ。