手縫いのステッチは見た目だけでなく、洋服を作る上で重要な役割を果たしています。
それは、
糸の摩擦でとめてる。と言うことです。
ミシン縫いとは、糸のテンションによる引っ張る力で生地どうしを止めている。と言えますが、テンションをかけてがっちり生地同士をロックすると生地が動く余裕がないため硬くなりがちです。
一方、ハンドステッチは生地同士を数千の点の摩擦でとめていきます。
引っ張らず数千の点でとめているため、生地に動きが生まれ動き易く柔らかい仕上がりになります。それは結果、着用時の動き易さにも繋がってきます。
また、糸が少々外れても型崩れしづらいです。もともと力で留めていないためです。
ただ手間と時間が要ります。
また、興味深いのはステッチの点の大きさによって印象も変わってくることです。
大きなステッチであればよりカジュアルに見えますし、小さいとよりエレガントでシックな印象を受けます。これらを仕立てるスーツのイメージ、生地厚に合わせて手加減でハンドステッチを打っています。まさに手=目加減にて。
手縫いとは、ただ見た目の違いが指摘されることが多いですが、もともとは洋服が出来上がる上で重要な役割を担っています。 Pinorso 孫谷